■ 2008年10月 ■
「位牌って、なあに?」

【いわれ】
 位(くらい)の牌(ふだ)という意味で、死者の生前の官位・姓名を記した木札(木牌)のことをいいます。
これは、古代中国の「儒教」の儀式に用いられたもので、「死者の霊魂を招くもの」あるいは「霊魂がとどまるところ」として中国の民衆の中に定着していました。

【仏教で用いられるようになった背景】
「儒教」にいう「位牌」は、あらかじめ死者の「霊魂」と先祖の霊魂供養とを関係づけているもので、そういったことが仏教の本意ではありません。
 日本では、道教や儒教などの影響を受けて、祖霊信仰が盛んに行われました。その結果、仏教の真意が伝わりらないことも度々ありました。
そこで先人たちは、そのような人たちに何としても仏縁を結ばせるためにあらゆる工夫を凝らしました。
位牌はそのような発想から、民衆に仏縁を結ばせるための”手段”として非常に便利な道具だったのです。
そうして、日本に持ち込まれ、それが古来からの祖霊信仰と結びつき普及していきました。
江戸時代になると「仏教特有のもの」という誤った仏教への認識がひろまり、一般民衆にまで広く普及することとなり、現在に至っています。

【真宗の作法】
 真宗の作法では葬儀や中陰以外では位牌は用いません。
基本は法名を書いた掛け軸(法名軸)を使用するのが作法になっています。
葬儀の時に用いる白木の位牌は、四十九日の法要までは、簡易的なものとして使用しますが、その後は、お内仏の脇に法名を書いた軸(法名軸)を掛けるのが正式です。
(各寺院や地域の荘厳方法。各家のお内仏の構造上、位牌を用いる場合もあります。)
基本的には、所属寺院にお願いし、法名軸に法名を書き写していただき、年忌法要などの時に掛けて使用します。(合幅の軸以外は普段は掛けません。)

【真宗の考え】
 宗祖親鸞聖人は、仏教の源流であるインドに真の仏教を求められました。
仏縁を結ぶための手段が、いつの間にか目的になってしまい退転した仏教を原点から見直すという法然上人亡き後、真の仏教を復興する仕事を担われました。
そういった精神に基づき、真宗では位牌は用いない作法になっています。