■ 2009年8月 ■
「永代経法要って、なあに?」


 ◯真宗独特の法要

 当山では、春期(5月)と秋期(11月)の二期に行われる真宗伝統の法要です。法要では浄土三部経が読誦され、真宗の年間の法要の中では報恩講に次ぐ重要な法座です。彼岸会は東北や北陸の真宗寺院では勤めないところもあるそうですが、永代経法要は全国的どのお寺でも勤められているそうです。

 ◯浄土三部経が読まれる

法要には真宗の正依の教典である『浄土三部経』=仏説 無量寿経(上・下)仏説 観無量寿経仏説 阿弥陀経の三つのお経が拝読されます。

 ◯人生を見つめる道場

お寺は道場です。『道場』とは道を求め努力精進する場です。その道場には教典があります。教典はお釈迦さまのお言葉を集めた本です。お釈迦さまの教えに真の人間になる道を学ぶのです。そうすることによって、人生におこる様々な苦悩をまるごと自らの人生と引き受け、立ち上がることが出来る者となるのです。

 ◯未来の衆生に法を説く

 お釈迦さまは、自らのいのちの終わるその時まで弟子たちに法を説き続け、その生涯を燃やし尽くされました。ですから、お経にはお釈迦さまの生前のメッセージが弟子たちの手によって記されています。その中には、「どうか阿弥陀仏の説く念仏の教えを聞いて生きるものになってほしい。真実に出遇ってほしい。この経を未来の人々に伝えてほしい」とお釈迦さまは語られているのです。

 ◯仏法を未来へ伝える法要

 そのご恩徳により、念仏の教えに生きた無量無数の先祖の志を受け継いで、私たちは教典を読誦し、真実の教え、念仏の教えに出遇うのです。
 私たちが先祖から託された大切な教典。これから生まれてくる子孫も幸福であってほしい。そう願った人々の遺志を受け継ぎ相続する。これが『永代にわたって経を読む』法要。つまり永代経法要です。