■ 2020年 5月 ■
線香ってなあに?

法事に呼ばれたら、まずお内仏のご本尊に合掌礼拝しましょう。
お内仏にお参りの時は鈴(りん)は鳴らしません。また、線香がすでに焚かれていたら、それ以上に焚く必要はありません。
お香はいわば「鼻で嗅ぐ仏さまの説法」ともいえる仏事の必須アイテムの一つです。

<線香はなぜ焚く?>
親鸞聖人の和讃に次のような言葉があります。

染香人のその身には 香気あるがごとくなり これをすなはちなづけてぞ 香光荘厳とまうすなる

(超訳)香に染まった人の身の振る舞いを通して仏徳が感ぜられるように、念仏する相(すがた)がそのまま浄土の素晴らしさを現している。これをなづけて「香光荘厳(こうこうしょうごん)」といえる。

このように、香を焚くことによって仏さまの世界(浄土)を表現するツールとして欠かせない仏具です。 また、焼香で使用する香を「抹香」といい、一方で線香は「不断香」といわれます。つまり常時薫じるために使用されるのです。
したがって長い時間薫ずるため、スティック状になっていたり渦巻状になっていたりします。 土香炉(どごうろ)の大きさに合わせて折って入れます。その際には火種が左に来るようにして立てたりせず、寝かせ手入れます。


※宗派によって形式や作法が違いますので惑わされないように気を付けましょう。