■ 2020年 6月 ■
焼香ってなあに?


 灯明・華・香の3つは仏教儀式において欠かせない荘厳です。
元はインドで心身をすがすがしくする芳香を漂わす生活習慣として用いられていたものが仏教儀式にも仏前を荘厳する意味で使用されるようになりました。
これらは釈尊ご在世の時代にはすで儀式化されていたといわれています。
その後、交易により他文化との交流が進むにつれ、シルクロードを経て世界中に広まりました。
現在、キリスト教などの宗教儀式で香が焚かれるようになったのは仏教文化の影響を受けているとも言われています。
また、仏教において香が炊かれた道場は仏の浄土を表現しています。
線香は後の時代になって焼香の代用品として開発されたものだと言われています。

元来より仏前の焼香を行うのは導師の役割でありました。
今日では葬儀や通夜・年忌法事においても一般参詣者にも焼香をお勧めするようになり、様々な作法の違いに戸惑われる方に質問されることが多くなりました。


<大谷派の焼香の作法>
1、まず焼香すべき尊前に速やかにすすみ、ご本尊を仰ぎみる。(参列者にはお辞儀はしない。)
2、左手を卓端に軽く添え、右手で焼香を2回する。(このとき香をいただくことはしない。)
3、右手で香の乱れをなおし、ご本尊(阿弥陀如来)に合掌礼拝する。
4、合掌をとき、頭礼(ずらい=頭を下げる)する。
5、退いたら、まっすぐ元の席に戻る。(参列者にはお辞儀はしない。)


※宗派によって作法は異なります。