■ 2006年 9月 ■
「お経って、なあに?」
仏の心を説いた釈尊の言葉をまとめた書物のこと。
釈尊は35歳から80歳までの45年間、生きることに苦悩する人々に様々なかたちで自らの悟りの意味を説く旅をして一生を終えました。
釈尊の説いた仏のこころに出逢った弟子たちによって、そのことばがいつまでも人々の中に生き続けるようにと、釈尊の言葉を文字に表わしました。
『経』とはサンスクリットでSutra(スートラ)、パーリ語ではSutta(スッタ)といい、縦糸のことです。
これは真理を表し、それに対し横糸は娑婆(しゃば)世界を表しています。
つまり、娑婆世界に真理を通すと、悩みや苦しみの多い世界の中にいても人生を喜んで生きるものになることを喩えているのです。
古くは紀元前2世紀ほど前のものから、紀元後3世紀ぐらいのものもあり、長い時間を経て表わされています。
当時のインドの言葉で書かれたものが、中国で漢文に訳され、さらに長い時間をかけ日本にまで運ばれてきました。
浄土真宗は
「無量寿経」 (むりょうじゅきょう) (大経)
「観無量寿経」 (かんむりょうじゅきょう)(観経)
「阿弥陀経」 (あみだきょう) (小経)
を『浄土三部経』として、最も大切なお経としています。
仏教の長い歴史の中で仏の教えによって人生を明らかし、いきる意味に目覚め、真実に生きるものになるよろこびを書いた書物です。
※ 毎日のお勤めで読む「正信偈」(しょうしんげ)は親鸞聖人が鎌倉時代に書かれたものですから、お経ではありません。仏教がインド・中国・日本に渡り、自分にまで伝わってきた歴史と様々な人の情熱と苦労に触れ、そこに生きた念仏者の恩を知ったよろこびを書いた偈(歌)です。