■ 2006年 10月 ■
「お彼岸って、なあに?」
 

彼岸(ひがん)とは、一般的には春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた7日間のこと。 また、この期間に行われる仏事(彼岸会)のことをいいます。
元々は中国から伝わったものでしたが、日本に伝わった後、いつの間にか法要を営み祖先を祀(まつ)る行事へと変化していきました。
正式には「到彼岸」(彼岸に到る)。

彼岸はParamita(パーラミタ)。日本語では「波羅密」(はらみつ)、英語では「Parfect」というのがそれにあたり、「完成された」・「完璧な」という意味で、覚り(さとり)のことです。
日本語では「彼方の岸」とも読みます。
私たちからは遠くはなれてた覚りの世界、仏(自らに覚めたもの)のすむ世界(浄土)のことです。
それに対して、人を傷つけたり、にくんだりと、悩みの絶えない無自覚なわたしたちの世界を“この岸”、「此岸」(しがん)といいます。 その此岸に住む私たちが、彼岸に住む仏によって自らに覚めること(さとりの世界に到る)を促されてはじめて、わたしたちは悩みの絶えないこの世界から開放されるのです。 わたしたちが彼方の岸(浄土)に往き生まれようと願う者=念仏者になることを、「彼岸」といいます。