■ 2007年 1月 ■
宗祖親鸞聖人御正忌報恩講特集

「親鸞聖人って、どんな人?」ーその1ー

[1] 出生・出家

親鸞聖人は、平安時代の末期、承安3年(1173年)に生まれています。父親は日野有範(ひのありのり)母親は源氏の流れを汲む吉光女の長男として生まれたとありますが、確かなことはわかっていません。
このころの日本は、古代から中世へ転換する激動の時代にあたり、都では平清盛が政治の実権を握り、平氏一門が栄華をきわめている頃です。
その後、源平の合戦などによって、貴族中心の時代から、武士が中心になっていくという大きな転換の時代にあたります。まさに戦乱の世です。
そのころの都は戦や地震や大火が次々におこり、疫病や飢饉が流行り、都は死臭がしていたと鴨長明の『方丈記』にはそう書かれています。民衆はなす術もなく、みな悲しみや苦しみに喘ぎ、その日その日を耐えながら、ただ生きぬくことに精一杯だったようです。
そんななか、親鸞聖人は、養和元年(1181年)9歳で青蓮院慈円(しょうれんいん・じえん)の元にいき、範宴(はんねん)という名で出家します。しかし、その理由はわかっていません。ただ、父親の失脚と出家、その後に弟たちも相次いで出家していることから、そうせざるを得ないような、ただならぬ状況だったのは間違いないでしょう。聖人はその時代の流れに従うしか術を持てなかったのかもしれません。