■ 2009年11月 ■
「真宗本廟って、なあに?」
京都府京都市下京区にある真宗大谷派(お東)の帰依処で、正式名称を「真宗本廟」という。一般には「東本願寺」で親しまれている。
1987年までは「本願寺」と名乗っていましたが昭和62年(1987年)12月に「真宗本廟(しんしゅうほんびょう)」と改名されました。
「廟(びょう)」とは、もとは墓という意味ですが、真宗本廟と言うときには単なる墓という意味ではなく、根本道場という意味を持っています。
境内の正面に真宗門徒の道場である御影堂があり、ここには宗祖である親鸞聖人の御真影(ごしんねい)が安置されています。
私たちがこの御堂に参拝し、御影の前にぬかずくとき、聖人の直々のご説法を聞かせていただくことができる道場という意味で真宗本廟と言います。
七百三十余年前に親鸞聖人が亡くなられたとき、東山大谷の地に聖人のお骨を納め、お墓を立てて、遺された門徒集が今は亡き聖人を偲び、聖人の
声なき声、つまり教えを聞く中心道場としてその廟堂に集まったのが、東本願寺の始まりです。
それが後世になってお墓とお堂が二つに別れ、聖人のお骨が納めてある大谷の墓所を「大谷祖廟おおたにそびょう」とし、聖人の御影を安置してそ
の精神を崇敬(そうきょう)し、教えを聞く根本道場として現在の烏丸七条の地に真宗本廟(東本願寺)が建立されたのです。
■ 御影堂
世界最大の木造建築で、宗祖・親鸞聖人の御真影を安置しているところから、御影堂と呼んでいます。
御真影を中心にその左右には、同朋の代表として、真宗本廟の給仕、仏祖の崇敬にあたられた歴代門首の御影(おすがた)をはじめ、ご本尊・阿弥陀如来
のはたらきを漢字であらわした「帰命尽十方無碍光如来」の十字名号と、「南無不可思議光如来」の九字名号をお掛けしています。
■ 阿弥陀堂
御本尊・阿弥陀如来を中心に、その左右には親鸞聖人が「和国(日本の国)の教主」として仰がれた聖徳太子をはじめ、今を生きる私たちに阿弥陀如来の
願いを「南無阿弥陀仏」という真実の言葉によってあきらかにし、親鸞聖人に本願の教えを伝えてくださった、七高僧といわれる龍樹・天親(インド)、
・曇鸞・道綽・善導(中国)、源信(日本)、そして法然上人の7人の御影をお掛けしています。
■ 御影堂門
京都三大門の一つで、楼上の正面には浄土真宗の聞法の根本道場であることをあらわす「真宗本廟」の額が掲げられています。
楼上の堂内には、中央に釈迦如来、左に阿難尊者、右に弥勒菩薩の三尊像が安置されています。これは、釈尊(お釈迦さま)が阿難尊者、弥勒菩薩に、
真宗の根本経典である『仏説無量寿経』(大無量寿経)を説かれたことあらわしています。
この門から教えに入り、また、その門を出ることは、新たな人生の出発が始めることを意味しています。
■ 真宗本廟視聴覚ホール・ギャラリー
1998(平成10)年竣工
蓮如上人500回御遠忌の記念事業として建築された参拝接待所の施設。境内の歴史的伽藍配置とその景観に配慮し、全施設を地下構造にしていますが、
自然光をふんだんに取り入れた開放的な空間を創り出しています。
また、最新の音響設備とハイビジョン視聴覚システムを備えた真宗本廟視聴覚ホール、シンプルで機能的なギャラリースペースにより、真宗本廟にお
ける教化伝道と総合案内の施設として多くの人たちに利用されています。