■ 2021年4月 ■
「荘厳って、なあに?」

<三つの云われ>
1、仏像・仏堂・仏壇を整え美しく飾ることを意味する仏語。
2、飾りに使う装飾品のこと。
3、智慧・福徳・相好で浄土世界の表現。


<語源>
 サンスクリット語では vyuha(ビューハ)が語源とされ、分配や配列と訳されます。それらの訳から「みごとに配置されていること」「美しく飾ること」とも解釈されます。
vyuha(ビューハ)は英語view(ビュー/風景・眺め)の元の語であるとも一説にはいわれています。
『仏説阿弥陀経』というタイトルを翻訳すると、「極楽の景色」と訳されたのも内容から見ても頷ます。

<派生語>
 漢字の「荘」と「厳」はいずれも「おごそかにきちんと整える」 という意味であり、一般に「立派で厳かな」という意味で使われる荘厳(そうごん)は仏教の荘厳(しょうごん)からの派生語です。
したがって、一般的な荘厳(そうごん)とは意味が異なります。


<香光荘厳(こうこうしょうごん)>

真宗では香に染まることを、まるで香気が漂うように、仏を念じる人の風格は仏の智慧や功徳に包まれているように感じられることをそう表現されることがあります。

親鸞聖人のご和讃にも
染香人(せんこうにん)のその身には 香気(こうげ)あるがごとくなり
これをすなわち なづけてぞ 
香光荘厳と もうすなる   『浄土和讃 勢至讃』
とあるように、仏の知恵を備えたものは全て仏徳を讃歎する荘厳とな李、その場が浄土となることが荘厳の意味であるとも言われています。