■ 2007年6月 ■
「門徒って、なあに?」
如来浄華の衆は正覚の花より化生す。(荘厳眷属功徳成就) ー願生偈/天親・作ー
同一に念仏して別の道なきが故に。遠く通ずるに、それ四海の内みな兄弟とするなり。
真宗聖典 (P282)
一般的には、仏教の信者ことを“檀家”と呼びますが、真宗では「門徒(もんと)」と呼びます。
檀家ということばの語源は、サンスクリット(=梵語)の「ダーナパティ/d´napati = दान」(英語ではドナー donor=提供者)という言葉の音写で、元は“布施をする人”という意味です。(“だんな寺”や“だんなさん”はそこからきているようです。)
真宗でいう門徒とは、『仏弟子』のことを指し、在家・出家のへだたりのない“同門者”であることを意味します。
「門」は”道場”、「徒」は“ともがら”とも読まれ、”仲間”を意味します。
門徒とは、“同一に念仏して共に生きる仲間”という繋がりや絆をあらし、「共に仏道を行じていく仲間」の意味があります。
宗教法人法においては、寺院備え付けの門徒名簿に登録された方が門徒ということになりますが、それは如来の本願を依り所とする横の繋がりとしての仲間と憎親平等な世界を共に生きることを内実としています。
具体的には、仏弟子の名告りである帰敬式を受け、報恩講を勤めます。
真宗の歴史は念仏の歴史です。その真意を一人一人が受け取り、次の世代に念仏相続していく集団を『門徒』とよびます。